40代で「このままこの仕事を続けていていいのかな」と立ち止まるのは、とても自然なことかもしれませんね。少し立ち止まって、今の気持ちをノートに書いてみるところから始めてみましょう。
結論:頭の中で考え続けるよりも、不安・事実・願いをノートに分けて書くことで、「何をどうすれば良いか」が少しずつ見えてきます。
ここでは、心理学の考え方も少し取り入れながら、40代の「これからの仕事」の不安を整理するための「思考ノート」の書き方を紹介します。特別なノートは必要ありません。手元のノート1冊とペンがあれば大丈夫です。
40代で「これからの仕事」が不安になるのは自然なこと
- 昇進や異動が一段落し、「この先10〜20年どう働くか」を考え始める時期
- 子どもの進学や親の介護など、家族のライフイベントが増えてくる
- 体力や健康の変化を感じやすくなり、働き方を見直したくなる
こうした変化が重なると、これまでのように「がむしゃらに頑張る」だけでは不安が消えにくくなります。だからこそ、一度立ち止まり、ノートに向き合いながら「これから」を考える時間を取ってあげることが大切です。
思考ノートを書く前に押さえたい3つのルール
大前提:
思考ノートは「完璧な答えを書く場所」ではなく、今の自分の本音を安全に出してあげる場所と考えてみても良いかもしれません。
ルール1:きれいに書こうとしない
あとから読み返して自分がわかれば十分です。箇条書きやメモ書きでも大丈夫です。
ルール2:感情と事実を分ける
「不安」「焦り」などの感情と、「残業が多い」「上司が変わった」などの事実を別々に書いてみましょう。
ルール3:今日の「仮の答え」でOK
一度で正解を出す必要はありません。今日は「仮の答え」を置いてみる、くらいの気持ちで大丈夫です。
この3つを意識しておくと、「ちゃんとしなきゃ」と自分を追い込まずに、気持ちをノートに出しやすくなります。
10分でできる「これからの仕事」思考ノートの書き方
ここからは、実際の書き方を3ステップで見ていきましょう。1セット10分程度でできるボリュームです。
- 「今、いちばん心に引っかかっていることは?」
- 「最近、何度も頭に浮かんでくる心配ごとは?」
- 思いつくまま、箇条書きでOK
ここでは、解決策は考えなくて大丈夫です。「こんなことを思っているんだな」と、自分の気持ちに気づいてあげる時間だと思ってみてください。
書き出したモヤモヤを、次の3つの欄に分けてみます。
- 事実:客観的に見てもそうだと言えること
- 感情:不安・怒り・寂しさ・悔しさ などの気持ち
- 願い:本当はどうなったらいい?という望み
同じ出来事でも、「事実」と「感情」を分けて書くことで、「何にいちばん反応しているのか」が少し見えやすくなります。
最後に、「いきなり転職する」などの大きな決断ではなく、明日から1週間でできる小さな一歩を1つだけ決めます。
- 上司や信頼できる同僚に、今の働き方について相談してみる
- 求人サイトを眺めて、「気になる仕事」を3つだけメモする
- 帰宅後30分だけ、興味のある分野の勉強をしてみる
「これならやれそう」と思えるサイズにまで小さくしてみることがポイントです。
- 今日のテーマ:_______________
- 事実(何が起きている?):_________
- 感情(どう感じている?):_________
- 願い(本当はどうなりたい?):_______
- 明日から1週間の小さな一歩:________
この5つの問いだけでも、気持ちの整理に役立つかもしれませんね。
書いたノートを「現実の一歩」につなげるコツ
ポイント:
ノートに書くだけで終わらせず、スケジュールとセットにすると、少しずつ現実が動き始めます。
- 決めた「小さな一歩」を、スマホや手帳のカレンダーに具体的な時間として入れる
- 週に1回、同じページを見返して「できたこと」「まだのこと」をチェックする
- 信頼できる友人やパートナーに、「こんな一歩をやってみる」と宣言してみる
行動に移せなかったとしても、自分を責める必要はありません。「なぜできなかったんだろう?」と振り返ることも、大事な気づきの一つです。
思考ノートだけに頼りすぎないために
ノートはとても心強い味方ですが、「ノートだけで全部決めよう」としないことも大切かもしれません。
- 長期間、眠れない・食欲がないなど体調の不調が続いている
- 職場のハラスメントなど、一人では抱えきれない問題がある
- 何度ノートを書いても「消えてしまいたい」気持ちが強くなる
そのようなときは、専門の相談窓口やカウンセラー、産業医など外部の力を借りて良いサインかもしれません。一人で抱え続ける必要はありません。
また、「転職するかどうか」の判断は、ノートだけでなく、実際に求人情報を見たり、キャリア相談を利用したりと、一次情報を集めながら進めていくことをおすすめします。
まとめ|少し先の自分に手紙を書くつもりで
思考ノートは、「数年後の自分に手紙を書く」ようなイメージで続けてみると良いかもしれませんね。
- 40代で仕事が不安になるのは、ごく自然な変化のサイン
- 「事実・感情・願い」を分けて書くと、不安の正体が見えやすくなる
- ノートの最後には、「明日からの小さな一歩」を1つだけ決める
今日の夜、あるいは週末の静かな時間に、1ページ分だけでも思考ノートを書いてみませんか。今の不安を言葉にすることは、これからの自分を大切にする第一歩でもあります。
FAQ|思考ノートについてよくある質問
- Q. 毎日書かないと意味がありませんか?
-
毎日でなくても大丈夫です。まずは「モヤモヤが強くなったときに開くノート」として、週1回程度から始めてみましょう。続けやすい頻度で習慣化することの方が大切です。
- Q. ネガティブなことばかり書いても良いのでしょうか?
-
もちろん大丈夫です。むしろ最初はネガティブな感情が多くて当然かもしれませんね。そのうえで、「本当はどうなりたい?」という願いの欄も、一言でもいいので付け足してみると、少しずつ視点が広がっていきます。
- Q. 書いたノートは誰かに見せた方が良いですか?
-
基本は「自分だけの安心できるノート」で構いません。もし信頼できる人やキャリア相談の場があれば、見せたい部分だけ共有して、一緒に整理してもらうのもおすすめです。


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